[自然再生×ものづくり×表現創造=シーホース工房]
鞍持がお届けします。
私たちのスマホにも車にも装備されているGPS(Global Positioning System)。
当たり前に使っているこのシステムが如何にすごいのか、おわかりでしょうか。
現在宇宙には測位衛星が95機、地球の全方向を取り囲むように周回しています。
その軌道の高さはなんと20200km。
地球半周分もの高さで地球の周りを12時間で1周するのです。
地球半径を6400kmとすると軌道1周の長さはL
L = (6400 + 20200) × 2 × 3.14 = 167048 [km]
したがって地球の自転を無視した場合に、地上から見える衛星の飛行速度Vは
V = 167048 ÷ 12 = 13920.666・・[km/h]
超絶なスピードですね。ジェット機の14倍くらいのスピードです。
まあ、実際には地球も赤道方向に時速1500kmくらいで自転をしているので場所によって相対速度はまちまちです。
本題はこれからです。こんなに遠距離かつ超高速で移動する衛星がどうやって豆粒ほどの私たちの位置を特定できるのか?知りたくないですか?
●まずは衛星から検体までの距離を求める。
①検体(例えば車)の位置を特定するには3機の衛星が必要です。車の受信機は3機の交信
可能な衛星をサーチし、通信を確立します。
②受信機側で3機の衛星から受信したそれぞれの時刻データと現在の時刻との時間差を電波
の速度(光速=300000km/秒)に掛ければ、車から3機のそれぞれの衛星までの距離が求まり
ます。
●衛星と検体との間に仮想的な球体を設定する。
①3つのそれぞれの衛星の位置を中心とし、上記の距離を半径とする3つの球体を描くと
3つの交わる部分は円の方程式上の2点に絞られる。
②さらに第4の球体である地球を描けばその交点である車の位置が1点に特定される。
受信側のコンピュータではこのような幾何学計算と方程式を解く計算を瞬時にやってのけるのですね。私が遠隔セキュリティーシステムに使用しているワンボードコンピュータはSONY製の”Spresense”という非常にハイスペックなボードです。GPSを内蔵しており、
上記の計算をバリバリとこなしてさらに、Sigfoxという地上の広域無線にのせて基地局に
発信することに成功しています。
インターネットをはじめこのGPSや現在のハイテク技術は、軍事技術より生まれたものであることも知っておかなければなりません。
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